REPORT
視聴者の皆さんが送ってくれた収録レポート!

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さぬきとよこさんの
ゴスペラーズ坂ツアー’98 『衣・食・住』
(98/9/26;渋谷公会堂)

REPORTほとんどなにも予備知識のないまま、雨の澁谷公会堂へ向かった。彼等について知っている事と言えば、男性5人組ということと何回か聞いたNEW ALBUM。『楽しめるだろうか』多少の不安を抱えつつ18:30、定刻通りに会場内は電気が消された。

薄い幕の張られ、他に何もないステージに揃いの赤いパンツに微妙に違う黒のシャツの5人、走って観客の前にあらわれた彼等の1曲目は『イントロ’98』。初っぱなから『イントロ』とは(笑)期待通りの選曲。そのままハンドマイクを持った5人は決して華麗ではないけれど振り付きで、声と言う楽器で見事なハーモニーを奏でていく。ファンは個性ある(あり過ぎる??)踊りと声に笑い声のまじった歓声をあげて、どんどん上がるボルテージ。そして8曲目、バンドでいうなら各パートのソロ演奏をくわえつつメンバー紹介という感じだろうか、ゴスペラーズ版メンバー紹介ソング『侍ゴスペラーズ』でメンバーは一旦袖へ。ステージ上には幕の後ろからDJの姿が観客のノリをキープする。これからどう展開するのだろう、会場の期待が一段と高まったところで、幕は落とされた。

5人のバンドマンと澄んだブルーのスーツに身を包んだゴスペラーズ、爽やかな歌声の『靴ははいたまま』から第2部は始まった。その後あがり過ぎたボルテージを落ち着かせる様に着席タイム、新しいALBUMからバラードがつづく。ゆったりした優しい声が数曲続いたあと、信じられない光景が飛び込んできた!!『傘をあげる』…この曲でなんとリードヴォーカルがステージから客席へ降りていった。しかも、通路をどんどん進み1階中央を横切りながらパラソルチョコを配っている!!こんなことはアーティスト側がファンの事を完全に信用していないと出来ない。警備もほとんどつけず、2階席にもにこやかに手を振りながら歌ってゆく、ともすれば大パニックになってもおかしくないのに敢行してしまうのは彼等がファンのことを思っているから、そしてファンも信用を裏切らない様にマナーを守っているから、双方の思いやる気持ちが強いからこそ実現するのだと思う。この歌が終わった瞬間会場は和やかになり、そして永年のファンもなりたての人もその場にいた人全員がステージと一体化する。後半戦、ノリの良い曲が続き、前半よりも全体で盛り上る。本編最後の曲、『愛の歌』。曲のラストには会場を3つに分けてのコーラス。もちろん直々の歌唱指導付き。会場全体がコーラスグループになった。メンバーが去っていった後もバンドとともにリフレイン。ちゃんと各々指導された通りのパートを歌っている。会場内がゴスペラーズ化…。

会場いっぱいの歌声を聞いて『そんなに歌いたいならもっとやるぞ〜』と言いつつメンバー登場、アンコール開始。THANKSの意味も込めてか、ファンもゴスペラーズも踊れる曲が続き、2階席がゆれる程全員がそれに合わせて飛んでいた。21時少し前、『少しづつゴスペラーズが坂道を昇って行っても、みんなとの気持ちの距離を離さない様にしていたい。』というMCとともに約束の歌『Promise』。暖かい拍手で締めくくられた。

会場アナウンスの聞き慣れた台詞が流れ鳴り止まないアンコールのなか、席を立とうとした時、まさかの2度目のアンコール。1曲だけだったが、衣装も変えずに多少疲れている様子が見えつつも精一杯ファンに答えるその姿はとても清々しい。大ブレークする直前の勢いをひしひしと肌で感じた気がした。

終演後、会場前でファンの女の子達が『今日は楽しもうね〜』と互いに言い合っていた事を思い出した。今夜のLIVEは『ゴスペラーズを見て楽しもう』ではなくて、『一緒になって楽しもう』という事だったのだと思った。”LIVEに行く事”がどう言う事なのか、楽しむ方法を1つ教えてもらったような、そんなLIVEだった。そして、ゴスペラーズとファンの関係がとても羨ましく感じた。

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