オープニングからアリーナ中に剛くんの伸びやかなフェイクが響き渡る。
初日とは言え、2回まわしの2回目の部。だが、疲れも見せず決して手を抜かない。いくら遠方からステージを見ていようと、それはすぐわかる。
1公演、1公演が勝負。全く同じ時間ではないその瞬間ごとを大切にしているのだと思う。声もしっかり強く出ている。歌の表現力も豊かで、ハモリも聴かせてくれる。剛くんは以前より高音部が無理なく出るようになった。
光一くんの声も強く、安定してきた。つやっぽく、濡れた声の剛くん、変にクセのないまっすぐでスーッと透る声の光一くん。
その2人の声が重なるとたまらない。改めて声の魅力にひかれる。
途中、「雪国」や 「ギャバン」といった、2人の遊び心いっぱいのナンバーも。浴衣姿の剛くん。そして昔のマッチを思い出させる様な、長いハチマキ(っていうの?)を頭に、スタンドマイク抱えながら歌う光一くん。
やってくれる!!!また、トークコーナーでは、「即興は苦手」と言いつつ、2人で即興演奏する一幕も。(剛くんVo、光一くんG)これもひとえに「LOVE LOVEあいしてる」での成果だろう。おぼつかないながらも、なかなかいい感じだった。即興が出来るまでになったなんて。
2人それぞれ弾き語りのオリジナル曲ももちろんあり。ただ、1曲ずつだと後の曲へのつながりが、どうしても慌ただしくなってしまうのは否めない。ステージ進行は分刻み故、仕方のないことだが、後がばたばたしてしまう印象が残る。せっかくのその雰囲気が消えてしまうのがもったいなかった。せめて2曲ずつくらい続けてもいいのでは?とも思う反面、「もっと聴きたいなー」という辺りで次へいくのがいいのかもしれない。
とにかく見応えたっぷり。こういうライブもいいものだ。見る価値は充分にある。2人のかけあいが楽しいトークもよし。2人で喋っているとは言え、よく20分もフリートークが出来るなあ!と感心する。
(そこが自然と鍛えられたプロなんだろうけど、素人は3分でも難しいですよね。トークって)内容盛り沢山なのに、あっと言う間の2時間半。
曲は次から次へと駆け足で、衣装もくるくると早替わりで、ステージは進んでいく。各曲に合った照明も効果的だった。忘れちゃいけない、ダンスもうまくなった。指の先、足の先までピシッと決まっている様子。
特に光一くんのしなやかさは、まるで少年隊の東山くんを思わせるほど。
そしてきれいなピアノの音色のイントロ・・・本編ラストは「青の時代」。
2人の声が気持ちよく響く、いいしめくくりだった。
(ちなみにこの後はアンコール〜Wアンコール)
考えてみると、数日間、会場を借りきって他にもV6やJrのコンサートが行われ、同じステージセットを使うわけである。ということは、やはり中身が勝負どころ・・ということが伺える。360度形のセットは沢山の電飾が付いてはいるものの、演出や趣向にしてもそんなにものすごいお金がかかっているようには見えない(失礼だが)。それこそ、もっともっと派手な仕掛けがあり、ひと目で莫大なお金がかかっているとわかるステージを他で見ているからか、意外にもシンプルだと思った。だからこそ自分たちが持っているものを最大限に生かせる場なのだろう。これは「いいステージを作る」基本かもしれない。本人たちも作りがいがあるだろうし、ファンにとっても本人自身による演出は何よりも嬉しいのでは・・・。
キンキの周りで踊るたくさんのJrを見ながら昔の2人をふと思い出した。
かなり昔、「夜のヒットスタジオ」で偶然見たことを、何故か今でもよく覚えている。もう19歳。だけどまだ19歳。どんどん成長していく姿が楽しみだ。
ただ、作られて、操られているんじゃない。色々なことに挑戦していき、それをしっかりとうまく自分たちのモノにしていく、そういう姿勢をいつまでも忘れないで欲しい。彼らなら、もっと出来る!!と思う。
無理がない、あくまでも自然体の19歳のカッコよさが充分伝わった。
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