視聴者の皆さんが送ってくれたレポート! |
中学生の時に初めてドリの音楽を聴いて以来、私の中でなくてはならない存在になった。ご飯を食べたり、水を飲んだりするのと同等の位置にあったドリカムの音楽。おおげさな、と思われる方もいらっしゃるかもしれないけれど、でも、本当にそれくらい大きな存在だった。ただでさえ、のめりこんだらもうまっしぐらという性格の私だけれど、彼らの音楽は簡単に私を夢中にさせた。
それはラジオから流れてくる彼らのトークも手伝って。吉田美和は自分の事をあまり語らないけれど、そんな彼女の生き方を、中村正人が彼女に代わって教えてくれた。とにかくひたすら前向きな生き方を。どんなことだって、何だって必ずできる。夢は叶う。彼自身も彼女によって前向きな生き方に変わったのだ、と。そして、それは何よりも彼らの音楽の中にぎっしりと詰まっていた。中学生の私はそれを素直に信じる事ができたし、その「信じる力」は、内向的で、後ろばかり振り返って、失敗を恐れてばかりいた私を、見事に変えてくれたのだ。きっと、今の私を知る人々は、私が内向的だった、などと話しても、冗談としか受け取ってはくれないだろうけれど。それくらい、私は彼らの音楽で変わった。
高校生になって、私は吉田美和が卒業した高校に進学した。ここであの人が高校生活を送ったのだ、と、そう思うだけでドキドキした。彼女を感じられるようなそんな空気が確かにそこには漂っていたし、私にはそれを感じる事ができた。
入学して、初めての身体測定や健康診断の時に入った保健室で、さらに私の胸にグッとくるような出来事があった。当時の保健室の先生が、彼女が高校生だったころ、副担任をなさっていて、吉田美和の卒業アルバムや卒業文集をしっかりと保存なさっていらしたのである。先生にとっては、自慢の生徒だったに違いない。吉田美和の卒業文集。初めて見る彼女の書いた文字。そこには高校生とはいえ、まぎれも無く、「Singer 吉田美和」がいた。
「BigでGreatでそしてBeautifulなSingerになる」
その言葉はしっかりとそこにあった。鳥肌が立った。ずっと想い続ける事のすごさ、そして夢を実現するということを目の前で見せつけられたような、そんな気がした。心の中をどんどん彼女が占めていく。もうその頃はすでに彼らの音楽だけではなく、彼ら自身の生き方にひたすらあこがれた。
私も、あんなふうに生きたい、と、そんなことばかり想い続けた。
高校1年の時、アルバム「MILLION KISSES」が発売された。生まれて初めてもうとにかく何の考えも無しに感動した。たった1枚のアルバムだけれど、そこには彼らのすべて、私の好きな音楽のすべてが詰まっていた。胸のすごくすごく奥の方からグワーっと押し寄せる感動、というか。このアルバムを聴いた時の感動たるものや、なんだかすさまじい、というしか表現できないのだけれど。
高校を卒業してからの浪人生活では、ひたすら吉田美和の詩の世界に没頭。中村正人のアレンジの奥深さにも浸る。
大学に入学してからの流れは少しだけ以前お送りした「HEY!^3、それはとがしの道標」の中で触れている。あの文章ではあくまでもHEY^3を中心に据えて述べているものだが、正直、そこから私とドリは少しづつ違うところへ歩き出してしまったのかもしれない。ドリのファンだといういろんな人に出会った。そして、私は禁断(?)の、いわゆる「追っかけ」のような道に走り出してしまったのだった・・・。
そうなると、もう純粋にドリの「音楽のファン」とはいえない。ここではあえてその頃のことは詳しく書かないけれど、とにかくいろんな事があったし、いろんな思いも味わったし。他の事は何も目に入らず、という感じ。音楽の良さはもちろん感じつつも、別の方向を向いてしまった自分がいた。少しだけ自分の道を見失ってた。
でも常に自分の中では「ここは私のいる場所じゃない」ということも感じていた。
そして、少しづつ、彼らの音楽までも私から離れていったような、そんな気がした。
でも今思えば、彼らの音楽が離れていったのではなく、私が勝手に離れていったのかもしれないけれど。
もう、彼らの音楽を聴くのも嫌だ、というそんな時期がしばらく続いた。その間、いろんな音楽を聴いた。何せ私はそれまでドリカム三昧の音楽人生を歩んで来ていたので、自分の音楽の引き出しの少なさを思い知らされた。素晴らしい音楽は他にもたくさんあった。当然の事なのだけれど。洋楽もものすごく聴いたし、邦楽も、もちろん聴いた。いろんな人のライブも見に行った。いいなー、と思うものも数多くあった。私がそうして離れている間、ドリの方にも大きな動きがあった。レコード会社の移籍である。驚いたし、反感も覚えた。もっと遠い所へ行ってしまうような気もした。もう彼らがわからなくなっていた。
でも、ヒーローはちゃんと帰ってくる。彼らはいつも言う。
「すべての答えは音楽の中にある。」
発売された「SING OR DIE」。高校生の時聴いた、「MILLION KISSES」を聴き終えた時に受けたあの衝撃が、今、再び私を襲った。
中村正人は「僕たちの音楽から離れてた人たちを、あっと言わせたい」とインタビューで言っていた。
正人さん、やられました。完全に私の負けです。
でもね、ものすごくうれしかったよ。帰ってきた、私のヒーロー。
そして、帰ってきた私の音楽を愛するこころ。
音楽で自分がこんなにやさしい気持ちになれるとは!!
DREAMS COME TRUEの音楽から離れた時間があって良かった、と、今は思っている。その間にいろんな音楽を聴き、その上でドリの音楽を評価する事ができたし、何よりも、また純粋にドリの「音楽」を感じる事ができたから。
少しだけ大人になった私は改めて自分は音楽が好きなんだということを感じている。音楽の力はすごい。回り道もあったけれど、このアルバムを聴いて、胸のモヤモヤがどこか遠くへふっとんで行ってしまった。
今、また、新しい道が開けた。
私の人生を変えてしまったDREAMS COME TRUE。私はこの音楽に出会えて良かったと心から思う。あなたたちと同じ時代に生まれた事は極めてラッキー。
これからのドリの行方を、自分の人生とともに見つめていく事ができるのだから。
これから10年、20年先のことを思った。もっと大人になったら、どんな風に吉田美和の歌は私の心に響くだろう。そして、その時、世界中の人が彼女の声を胸に響かせていることを願う。
ふぅー、なんだか超長文になってしまいましたが、それでも読んでくれた方、どうもありがとうございました。そろそろHEY!HEY!HEY!にも出ないかしら?